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水玉。
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水玉。

「で、なんで今になってもいるんだ?」
いきなりイザナギ達が帰ってきた翌日、起きてきたウリエルは開口一番、朝の食卓についている先客に文句をたれた。
「うん? だって可愛い息子と再会したんだし、しばらくいるよー」
イザナギはなんの悪びれもなく、ぬけぬけとそれに答える。どうもウリエルが怒っているのが分からないらしい。昨日あれだけ喧嘩したにもかかわらず、図太いものである。
ラエは取り敢えず、朝食を出す事にした。ベーコンにハム、目玉焼き、パンにスープ。そしてウリエルには一杯のミルク。
時々作るものを変えたりはするが、これがこの家の普段の朝食である。
因みにキャンベルはまだ寝ている。明日は自分が朝食を作るのだと張り切っていたが、どうやら朝の寝起きはウリエル型らしい。
「ああ、ラエ有り難う」
「有り難う、ラエちゃん。君きっといいお嫁さんになるよ」
「黙ってろこのスケベ親父」
この二人にとっては日常会話らしいやり取りをしてから、静かに食事を口に運ぶ。
「ぁ、し……」
イザナギが塩、と言いきる前に、ウリエルは当然の如く塩をイザナギの手元に差し出す。
「ありがとー」
「ああ」
イザナギの満面の笑みに一言だけ返し、ウリエルはハムにフォークを刺した。
ラエは何となく驚いたが、自分の分をワゴンからテーブルに移して食べる事にした。
多分この父子はこういう関係なのだろう。
憎み合うなどという言葉は似合わない。でも、もの凄く仲が良いと言い切れやしない。
でも、親子なのだ。
不思議な関係もあるものだと感心していると、イザナギがハムを飲み込んでから、
「ああ、そうだ。これから二週間ぐらいここで過ごす事にしたからね」
何でもない事のようにそう告げた。
「何か最近老けてきちゃったみたいでさあ、今回の旅で結構疲れちゃったから。
 しばらく世話になるよー」
一瞬の間をおいて、
「何ぬけぬけとそんな事を言ってやがんだこのクソ親父ー!」
ウリエルの怒声が食堂に響き渡る。
(どうせ泊まらせるんだろうな。まあそれはどうでも良いけど、取り敢えずキャンベルさんは起こしに行っておくべきかな)
またもや喧嘩を始めた彼らをよそに、ラエは一人冷静にそんな事を考えていた。