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水玉。

水玉。

黄昏の太陽が赤く染まっている。そのまわりの空と、夜に入ろうとしている空の境界線は青紫に染まり、昼と夜の合間の時間も終わりに迫っている事を告げる。
それに照らされ、ラエが見ている花の桃色の花びらが赤く染まる。
なんだか、奇妙な感じの花だ。
ラエは洗濯物を脇に抱えながら、その花をじっと見上げた。
桃色、紫、紅、群青。色々な色がある上に、サイズもラエより頭一つ上からラエの足程までしか届かないものまであってまちまちだが、どうも歪んだ六角形の形を成す葉と、丸みを帯びた六角形の花びらの形を見るに、これらは同じ種類の花らしい。
茎には目立った特徴はない。『空の薔薇』のように、一花のみが枯れているなんて事もなく、ただそこに咲いている。
だというのに、違和感があった。
そういえば、この花が咲き誇っている一角の周りには花がない。それと関係しているのだろうか。
更にこの花の形状は、ずっと見ているとなんだか意図的で、自然ではあるのだが、どうも奇妙な感じが否めない。
なんだろうか。
それに、なんだか恐い感じがする。どうしてだろう。
こんなに綺麗なのに。
(まあ、いいか)
ラエは気持ちを切り替えると、家の方へ歩き始めた。
ウリエルに聞いたら、教えてくれるだろうか。
でもまあ、彼の気が向いた時でも良いだろう。
曉はもう終わりかけている。
空は先程より暗く染まり、東の地平に星が瞬き始めた。