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水玉。
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水玉。

「招待状? オーリスの弟がか。
 ……あいつ、お前より二、三歳は上だぞ。なのにいつまでも子供でいるらしいな」
自室の椅子に座り、ラエから渡された『招待状』をぴらぴらと振りながら、ウリエルがため息をついた。
(今日は饒舌モードなのね……)
実に年齢を感じさせない話し方だ。しかもウリエルと同じようにあの幼児も外見通りの年齢ではないらしい。
「で、どうする?」
「え?」
「出席するか?」
「うん」
即答したラエに、一瞬だけ目を丸くして、そうか、とウリエルは応える。
「分かった。連れて行くよ。
 ……多分、あんまり見る事のない光景だろうしな」
「ウリエルの方は、招待状は?」
「こいつの兄貴、オーリスからきたよ。あいつが赤ん坊の頃からの常連だからな」
(赤ん坊……)
結局、どうも種族に関係なく、ウリエルは他の者より一回り長寿のようだ。
「さて、と」
弾みを付けて、ウリエルが立ち上がる。
「こっちも準備がいるな、色々と。
 ぁ、ラエは何もしなくていい。ただ、祭りといってもパーティーみたいなもんだし……ドレス、みたいなのは要るな」
「ドレス? じゃああの『Cube』のワンピースでいいよ」
あのワンピースは綺麗だ。加えて、ウリエルが似合うと言ってくれたのだから、それでいいと思う。
「ラエ……いい子すぎるって」
ウリエルがため息をつく。
「……何か悪かった?」
ラエは思わず聞き返した。少し血の気が引いた気がする。
「いいや。……ごめん」
にっ、とウリエルが笑って、ラエの頭を撫でる。
それだけで、ほっとした。
「じゃあ、どうするかな」
「どうするかな、とは頼りないの、ウリエルよ。
 この家の持ち主は主であろう。昔お前が女への貢……」
出てきたイェンの口をウリエルが塞ぐ。
「じゃあ、明日買いに行こうか。いい?」
「あ、うん」
何となく続きが気になったが、ウリエルが作った綺麗な笑顔が、奇妙に迫力があったので、それに圧されてラエは返事をするだけにした。

 *

「テメエ、ぶっ殺すぞ」
「ふ、何を言う。
 自業自得であろう。この女たらしが」
「元だよ、元!」
「元?
 年甲斐もなくラエを好きな男がか」
「……このババア……!」
夜、ラエが寝た後、そんな会話がウリエルの部屋で小一時間続いた。