水玉。プロローグ〜伝説の世に〜水玉。

昔。
伝説の世。
まだ天使や悪魔と人が交わる事がきわめて珍しかった頃。
天使と悪魔の間に、争いが勃発した。
第二次天魔大戦。
そう呼ばれた戦いに、終わりはないかと思われたという。
しかし。
3人の天使が、抜きん出た力と、その慈悲の心によって、同志を導き、平和の世を取り戻し、その後も様々な功績をはたし、そして大天使と呼ばれるまでになった。
そう、伝えられている。
その彼方まで響く、希望を沸き立たせる声によって存在をしらしめた大天使、ガブリエル。
その涙は傷ついた者を癒したという大天使、ラファエル。
その思慮は深く計り知れず、しかし混乱を沈める能力に長けたという大天使、ウリエル。
その後天の大陸が地へ降り立ち、天使や悪魔が人などと交わり、混血の種となっていき、いつしか彼らは姿を消した。
そう、伝えられている。
それらは事実の一端として知られてきた。
・・・そう。
当の本人達を、置き去りにして。



多くの人は、気付かなかったのだ。
人の性分など、いくらでも変えて表現できることに。



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